重粒子線治療はじまる。FIGHT 1 READY GO! [2022-05-10]

2022年5月10日(火曜日)

時刻は夜明け前。目が覚めちゃったので寝床でiPadを叩いてる。夜が明けたらいよいよ重粒子だ。

別に緊張して目が覚めたわけじゃなくて、最近は2時間おきに目が覚めている。目が覚めてもそのあとすぐ眠れるので全然ストレスにはならないんだけど。
この現象、ホルモン治療始めてから起きているので「体がほてってきて暑さで目が覚める」ってことかと思ってたんだけど、今日みたいに涼しくても起きるからちょっと謎。
でも夜中に目が覚めるのは嫌いじゃない。学生のころはよく月明りの下で考え事してたよなぁ。。。

治療は、、、
別に怖くはないって言うか、死ぬ時は死ぬって思っちゃう質なので「再発したらどうしよう」とか「治療うまくいくかなぁ」みたいなドキドキ感は全くない。

そうじゃなくて、うんことかおならとか蓄尿とかがうまく調整できなくて、そのせいで尿道や直腸にダメージ出ちゃったら嫌だなぁって、ただそれだけ。そこは自分の頑張りで減らせるかもって思うからね。
一応計画的に排便排尿(排ガス?)できるように整えてきたし、体重もとりあえずの目標だった57kg台まで落とせたし、これ以上はないって程には「上手く準備出来た」感はあるんだけどね。。。

まあ、とりあえずブログもスタートしたし、細工は流流仕上げを御覧じろ、ってとこだ。
さ、朝までもうちょっと眠るか。


5時30分起床、快便。

そう言えば、昨日の朝から痔のせいかトイレにうっすら血が滲んでるんだよな。準備万端の中、ここだけがちょっと残念。
これから直腸にダメージ与えるからなぁ、判断難くなるよなぁ。なんでかなぁ、本番に向けた予行練習で少し力んだせいかなぁ。「治療前にやっつけちゃおう!」とGWの草むしり3連荘できつい体勢続けたせいかなぁ。
まあ滲んでしまったものはしようがない。拭いた紙につく程でもないので治療には影響なしとしよう。
注:2016年に痔核のジオン注射治療をして、痔は治ったけど、今でも力み過ぎるとちょっとだけ血が滲むことがある
ちなみに今日はうんこ2回した。2回目は血も滲んでなかったので、まあ問題なしってことで。(笑)

さあ、準備万端。

出発時間まで洗濯して、9時ちょい過ぎに出発、予定通り余裕もって病院に到着。今日は久しぶりに建物の写真も撮り、twitterでも治療開始を宣言。

受付機に診察券を通し、慣れた足取りで重粒子の受付へ。いつものお兄ちゃんにおはようを言うと、そこから今日の工程がスタートだ。

まずは、先日説明を受けた通り「重粒子線治療冊子(以降は単に冊子と記載)」に診察券と受付票を添えて提出。書き込むために冊子から外しておいたセルフケアチェックシートも忘れずに。

「10時半にトイレして水飲んで待ってればいいですね?」的なことを聞くと、いつもの様にこちらを制しながらお兄ちゃんの説明が始まる。(笑)

このやりとりも流石に慣れたよ。
先に言っちゃうと、ここにはほんといろんなおじいちゃんが来るから、説明はいくらしても「し過ぎる」ってことはないんだろうねって思う。お疲れ様ですお兄ちゃん、いつも感謝してます。

で、お兄ちゃんの説明によると、10時30分になったらトイレ行って水飲んで蓄尿開始、11時になったら番号札を返して着替える、自動ドアの奥のナースステーションで冊子を返してもらって待機、ってことらしい。りょーかい、あいこぴーだよ。(笑)

そうそう、冊子の「放射線治療カレンダー(以降は単にカレンダーと記載)」、顔写真付きのやつに差し替えられちゃった。前回位置決めCTの時に撮られた間抜けな俺の顔写真入り。恥ずかしいけど、取り違え防止には効果的よね。事故防止が一番。外しておいたセルフケアチェックシートも一緒にさくさく綴じられちゃった。元と違うページだけどいいのかな。

あと新情報として、会計の仕方をちょこっとだけ説明してくれた。ほんとに触りで「あとは会計で聞いて」な感じ。一緒にもらった説明シートを見ると「2回目以降を1週間分まとめて支払うことが可能」って書いてある。1週間?今日12回分払うんだよね?2回目以降?

俺には関係ないのかな?とか思ったけど、とりあえず会計する時に「1回で払いたい」的なことを言ってみようってことで後回し。(で、実際は関係あったし、会計のお姉さんもこちらから言わなきゃスルーだったので、ちゃんと説明してもらった方がよかった)

お兄ちゃんの説明終わって、ロビーでピクミンとか見てたら10時半になり、おもむろにトイレへ。

まずおしっこして。ここで「お兄ちゃんに冊子取り上げられて手元にセルフケアチェックシートないから、おしっこ回数チェックできん」ってことが判明。とりあえず忘れないうちに付箋にメモる(ちなみにこのあと待機室でチェックした)。明日もこんな感じかしらね、事前につけとく?あとでわからなくなりそうだし。

そしてうんこはおならすら出なかったよ、多分何も残ってない感じ、計画的排便排ガス成功の模様。

トイレ終わって水飲んでたら看護師さん登場。
「もうちょっと飲みますよね?」「どれくらいがいいんですか?前回飲みすぎたので」「500のペットですよね、ラベルの下あたりまで」などと、ほのぼのとした会話をして本日の段取りを確認。
「今日はここに来るまでに水を飲みましたか」「コップに3杯くらい飲みました(今朝はコーヒーは飲んでないぜ、へへ)」「水分補給してますね、だったら大丈夫ですね」と、またもや漂うほのぼの。でもペットの水は看護師さんがいうより少し多めに飲んでみた。(笑)
結局300mlくらい飲んだけど、「おしっこ溜まり過ぎ」って言われた位置決めCTの時はペット飲み干しちゃっているので、それよりは控えてるぞ。これで完璧か?感覚的にはいい感じ。
そうそう、看護師さんにうんことおならの薬が切れるので欲しいって話をしたら、「あー、診察が今週どこかであるので、その時に先生に何日分くださいって伝えてください。診察がいつあるかは確認しておきます」とのこと。
とりあえず今日は貰えないらしいが、金曜日の朝の分まであることを伝え、それで了解。(ちなみに診察は明日だった)

ってことで、11時になったので着替えてナースステーションで本人確認して待機室へ。ナースステーションでは名前と生年月日を伝え、冊子を返してもらった。

今回前立腺がんのせいで何か所か病院へ行ってるけど、この「名前と生年月日を言う」ってのはおっきな病院では共通よね。最初は違和感あったけどもう慣れた。

で、待機室。6畳くらいありそうだけど、コロナの影響もあって部屋は一度に2人まで。「すでに2人いたら言ってくださいね」と看護師さん。「おしっこしたくなったらブザーを押すかナースステーションへ来てくださいね」。そんなやりとりをして待機開始。ちなみに相談するとどうなるんだろう?順番早くしてくれるのかしら?

余談だけど、町の泌尿器科の方も、おしっこ我慢できない人が優先される。これは泌尿器科特有の対応だよね。

待機室ではつまらないニュースバラエティが流れていたけど、俺しかいないので勝手にチャンネル回して寛ぐ。「どっかの島を外国の人が自転車で周る」的な番組の「醤油エスプレッソ(もろみから滴り落ちる醤油につけて料理をいただくスタイル)」が気になりつつ待っていると予定時刻を5分くらい超えた11時25分くらいに技師さん登場。それにしても「自転車旅」の割には「豪勢」だな。(笑)

さて、いよいよ治療室。部屋には技師さんがもう1人いて、どうやら2人体制の模様。よろしくね。

技師さんに先導され治療室へ行く30秒くらいの間に治療時間についてご案内いただく。大体10分くらい、CT撮る時は15分くらいってことらしい。「今日は初回なのでCT撮ります」。ラジャー!

導かれるままNo2の治療室に入ると、ホームページで見た様な気のするでかい機械が鎮座ましまし。

まずはその機械の一部であるベッドへ横になる。体の上には円柱の一部を切り取ったアンテナの様な物体。ここから重粒子が出てくるのかな。

横になったら次は慎重に位置決め。背中、おしり、足の先、技師さんが体を持ち上げてはゆっくり降ろすって作業を繰り返しながら寝る位置を調整していく。それが終わると先日作った固定具を腰の辺りに被せて固定完了。

次はX線を使った位置決め。「ベッドが勝手に動くけどびっくりして動かないでくださいね」と言い残して部屋からでていく。でもびっくりする程は動かない。(笑)

「機械で位置調整」しては「技師さんが戻ってきて足の位置をなおす」を3回ほど繰り返したところで位置決め完了。結局足の先を開く感じで決まったらしい。足は固定具ないしね。多分だけど腰を少し開き気味にする感じかなって思う。固定具ではそこまでは調整できないのね。

「では位置が決まったので治療を始めます」。
重粒子線の機械の横にぶら下がってたX線装置っぽいものが天井側へ引っ込んでいく。

さあ。
ここからだ、いよいよ重粒子だよ。

緊張、、、
はしないけど、位置決めした体をあまり動かないように呼吸を浅めにじっと待つ。すると装置の左の壁みたいなところから、ラジコンのサーボモータの様な音がしてきた。アクチュエーター音っていうの?短めのウィーン、ウィーンって音。

これか!これなのか!?ちょっとうれしい。(笑)

でも重粒子は横ではなく上から来るよね?上からは何も聞こえてこないんだよなぁ。横の装置が位置調整担当?
、、、みたいなことを考えながらさらに五感を研ぎ澄ますが、まあ放射線を感じることもなく終了。(笑)

うーん、これが重粒子治療だったの?正直わからない。もしかしてこの後が本番?

よくわからないまま待っていると「ではこのままCT撮ります、ベッド動きます」と技師さん。これからCTなのか、いや重粒子はこの後なの?とか思ってたらCT撮って全て終了したので、やっぱりさっきのが重粒子だった。

っていうか、CT後なの?先に見ないの?って、心の突っ込みを入れる。(笑)

一応技師さんに(前回おしっこ溜めすぎたので)「おしっこの溜まり具合は丁度よかったですか?」と聞いたところ「CTはまだ確認してないけど、良さそうでしたので、これからもこんな感じでお願いします」とのお答え。

え、、、「溜め過ぎなので300くらい出して」とまで言われた前回とのこのギャップは何?うーん、いい加減だな。実際この後おしっこしたら結構溜まってたからちょっと不信感。(笑)

体の位置決めが結構慎重だったので、腸や膀胱の状態も都度都度しっかり見るのかと思ったら、そこはそうでもないのかしらね。不思議なシステムだ。まあこれでいいならいっか。次回は最後に飲む水の量をちょっとだけ減らそう。

ってことで終了。あっけなく終了。つまらんというか物足りないというか、ちょっと不安というか。続きは明日。

さて、治療が終了したので次の指示を聞くため技師さんに連れられてナースステーションへ。でもなぜか看護師不在。技師さん困る。次の患者さんも待ってるし。「大丈夫ですよ、適当に探すので」とお礼をいって看護師を探すことに。

自動ドアの外を見ると、今まさに説明中の看護師発見。アイコンタクトだけとって中で待つ。その間も受け付けの女性に声かけられたり。大丈夫だよ、大人だから。(笑)

戻ってきた看護師さんから、明日診察があるってことを聞いて、本日の工程は全て終了。着替えて受付寄っておしまい。

帰りがけに受付のお姉さんから「12回分の会計が今日」って話と「1週間分をまとめられる」って話がでたので、改めて確認。「まとめる」ってのはつまり、

  • 今日は重粒子治療12回分を支払うので、再来週の金曜日まで基本的に会計は0円になる。
  • 診療と処方箋の分だけ支払が発生する。
  • でも会計は(0円だけど)毎日しないといけない。
で、それを、週ごとの支払曜日を決めてまとめ払いすることで、ほかの曜日は「すこし(お姉さん曰く数分)会計が短くなる」らしい。そして診察カードに目印を張られるらしい。「最後の治療が金曜日なので支払日を金曜日にするといい」。なるほど、大変よくわかりました、ありがとう受付のお姉さん。「そうゆうことならやります」と伝え、お礼をいってトイレ借りて重粒子の方はこれで終了。ところでお姉さん、声がガラガラしてたけど大丈夫?。

あ、そうそう、最終日は診察とかでいつもより時間かかるか?も確認。笑顔で「そんなことはないですよ」と答えてもらったので安心。これで胃カメラ生検結果聞く日も余裕っぽい。お姉さん色々とありがとう。

さて会計、そう会計。

さっき説明のあった「会計まとめられるよ説明シート」を挟んで緑のファイル(診察や治療のもろもろを挟んで持って歩くためのファイル)渡したけど、会計のお姉さんは何もなかったかの様にスルー。

え、スルー?

で、いいましたよ、「週ごとにまとめられるって聞いたので、最終日にあわせて金曜日にしたいんだけど」と。そしたらお姉さんもカレンダー見て、わかりましたって。ビニールテープに「金」って書いたものを診察カードにペタッとしてくれた。「でも、診察終わったら毎回ここには来てくださいね」。

会計には「診察終わったら並ぶ窓口」と「そのあと計算終わってから並ぶ窓口」の2つがあって、1つ目と2つ目の間が混んでると30分くらいかかる。なので2つ目がなくなるのはありがたい。どれだけ楽になるのかは明日確認だな。

ってことで一日目は無事終了。

家帰って改めて領収書見るとそこには160000点、160万円の文字が。おー、こんな点数初めて見たぜ。もちろん保険適用だし限度額も設定されてるので払う額はほんのちょっとだけどね。
でももし保険適用じゃなかったら、今入っている先進医療の保険で0円だったということもあり、ちょっと残念な気も。(笑)

ちなみに昔は保険適用外、ちょっと前までは「低リスク」は保険適用外だった気がするけど、今は全部適用するみたいね。

そういえば。

昨日はうんこと合わせて、おしっこ6回しかしてなかったのに、今日は水分多めに取ったせいもあって、3時の時点でおしっこうんこで計9回。すでにまた次のおしっこしたくなってるし。
もしかしてここ数日体重減ってるのは、単に水分摂取量が減ってるからかしら。あとで体重測ってみよう。

おまけ。

放射線治療、「やり直し効かない」とか「2回目ない」とか「癒着するからあとから手術できない」とか「やり始めたらPSAでしかわからない」とか、そんな話を見聞きしていると、そこからなんとなく見えてくるものがある。
違うかもしれないけど、結局丸ごと焼いてわけわかんなくなっちゃってる事かなって。この治療法を選択する人は、イメージとしてこの辺は理解しておいた方がいいかも。誰も説明しないけどね。
なのでこの前TVでやってたHIFUみたいに、放射線の後にやれる治療法が開発されるのはほんとありがたい。今は再発時の効果的な治療法はないけど、この後こうやって選択肢が増えていくといいなぁ。